紙芝居『 しあわせの王子 』

紙芝居
しあわせの王子

 しあわせの王子 ワイルド 原作/三谷 亮子 脚本/中村 文子 画  出版社  童心社

小学校の読み聞かせ会で、紙芝居の『しあわせの王子』をやりました。本を選ぶ時に「自分の中の名作」を、子供たちへお勧め本として紹介するということをやってみたいなと思ったのです。子供の時、なぜかはよく分からなくてもとっても面白かったり、お話のどこかの部分が気になってお気に入りだったり、常に手に取っては眺めていた本が、少なからずあったわけで。でも、その全てを覚えているわけではありません。記憶にはっきり残っているもの。本当にごく僅かです。そんな僅かな記憶の中でも、より鮮明に覚えているもの。『しあわせの王子』『てぶくろ』『さんびきのやぎのがらがらどん』『てぶくろをかいに』『泣いたあかおに』『ごんぎつね』『さんびきのくま』『青い鳥』など。基本的に少し切ない話って子供ながらにものすごいインパクト受けますよね。

ただ、これら昔読んだ本を、果たして今の子供たちが知っているのか?例えば『泣いたあかおに』や『ごんぎつね』などは教科書に載っています。となると、なかなかわざわざお話会でやる…という選択肢が無くなります。ただこれについては、ある先生からこんな言葉をいただきました。「例えば三年生で読んだ教科書の名作。これを六年生になったときにまた改めて読むと、僅か三年の間で受ける印象が変わるから、教科書に載っている名作を改めて読み聞かせの場で読んでいただくのも有りですね?」。なるほど!子供から大人という視点では考えたことありましたが、子供から子供…子供の三年て、結構大きい気がします。物事わかっているかいないかのような三年生と、少し大人に近づきつつある六年生とでは、個人差はあるかと思いますが、確かにお話の受け止め方に変化があるかもしれないですよね!この先生の言葉、名作シリーズやりたかった私にとっては、とても大きな言葉でした、有り難いですね。 そんなこんなで、絵本だと十分を超える長いものになってしまうので、今回は紙芝居でやることにしました。

紙芝居も色々な方のが出ていますが、私は三谷亮子さんの脚本のものを選びました。この紙芝居が一番、違和感なく原作に近く、絵も受け入れやすい絵だなと思ったからです。さて、私が子供の頃からずっと大好きだったこの作品、果たして今の子供たちに受け入れられるでしょうか?…と、その前に、やはりやはり!このお話自体を知らない子供が多かった!二クラスてやったうち、4~5人しか知ってる人がいませんでした。三年生の反応は…イマイチよくわかりませんでした(^-^;)(笑)。五年生はというと…「このお話凄く好き!」「紙芝居って本当は大好きで、聞きたいのに、なかなか聞く機会がなかったから、紙芝居やってくれたのも嬉しかった!」など、数人の女の子が最後来てくれました!こんな風に自分がやったものに対して、今までは反応を聞く機会もなくて。

でも今回、学校の方のやり方が変わり、読み聞かせの後に、子供たちとの交流時間ができたことで、こんな風に話を聞くことができたのです、ありがたや!ここで、「紙芝居をやること(特に高学年に)」への自信、「選本にかんする」自信がつきました。本物の声、生の声ほど、自信をくれるものはありませんね!『幸せの王子』は、私にとっては、また新たな思い出が増えました。そして、私にとっては初めてのブックトークもやりました。絵本の『幸せの王子』を二冊持参し、興味持ってくれた子にだけですが、お話をしました。でも、元々の児童書での『幸せの王子』を持っていかなかったので、今度は、児童書での『幸せの王子』も持参したいと思います。

文芸室

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